車中泊の「夜の不便」を、確かな道具で解決する実践マニュアル

車載冷蔵庫を24時間使うと何Wh?夏と連泊で変わる消費電力

※本記事は広告を含みます。

車載冷蔵庫の表示に「36W」。この数字へ24時間を掛けると864Whです。

そう計算したくなりますが、実際には温度調節に合わせて運転と停止を繰り返します。庫内が冷えるとコンプレッサーが止まり、温度が上がると再び動き始めます。

同じ4℃設定でも、春や秋と真夏では消費量が変わります。4℃の冷蔵から−18℃の冷凍へ変えても、数字は大きく動きます。

結局、普段の温度設定で24時間動かした記録が、ポータブル電源の容量を決めるときにいちばん役立ちます。

36Wの表示だけでは、24時間分は出せない

夜の車内で、コンプレッサーの音が止まる。しばらくすると、また動き始める。車載冷蔵庫は、この運転と停止を繰り返しています。

仮に36Wで合計8時間動いたなら288Wh。12時間なら432Whです。

36W×8時間=288Wh
36W×12時間=432Wh

24時間のうち、実際に何時間動いていたか。それによって一日の消費量が変わります。

出発前に冷やした庫内へ、冷たい飲み物を入れる。これなら、温度を保つ運転が中心です。旅先で常温の飲み物を何本も追加すれば、庫内を冷やすために再び動き始めます。ふたを開ける回数が多い日も、運転時間は長くなります。

真夏と冷凍設定では、使う電気が増える

真夏の昼に車を止めると、冷蔵庫の周りにも熱気がこもります。春や秋なら長く止まっていたコンプレッサーが、夏は短い間隔で動き始めることもあります。

春に測った一日分だけでは、夏の使用量を少なく見積もるかもしれません。夏の使用量を知るなら、暑い日にもう一度動かしてみます。

設定温度でも変わります。一例として、EcoFlow GLACIER Classic 35Lの公式仕様には、次の試験値が掲載されています。

メーカーの試験条件24時間の消費電力量
周囲温度25℃・4℃設定165Wh
周囲温度25℃・−18℃設定520Wh

この条件では、−18℃設定の消費量は4℃設定の約3.2倍です。

35Lモデルを周囲温度25℃で測ったメーカー試験値なので、自分の冷蔵庫では、これより増えることも減ることもあります。

車内温度を上げない場所選びや日射対策は、夏の車中泊・暑さ対策完全ガイドでまとめています。

放熱口の前まで荷物を置かない

車載冷蔵庫の周りには、寝具、バッグ、着替えが集まりがちです。荷物を積み直しているうちに、放熱口を塞いでいることもあります。

熱がこもると、冷蔵庫は庫内を冷やすために長く動きます。周囲に空ける幅は機種によって違うため、取扱説明書の設置条件に合わせて空間を残します。

本体を積んだ直後は空いていても、寝床を広げると布団が放熱口へ寄ってくるかもしれません。24時間測るときも、実際に車へ置く状態へ近づけます。

出発前に、自分の24時間を測る

まず、自宅で一日動かしてみます。

  1. 普段使う冷蔵・冷凍の温度へ設定する
  2. 旅で入れる量に近い飲み物や食品を入れる
  3. ポータブル電源のコンセント(AC)か12V端子(DC)か、車中泊で使う端子へつなぐ
  4. 消費Whを表示できるポータブル電源なら、測定前の数字をメモする。表示がなければ開始時の残量%を記録する
  5. 24時間後に、消費Whまたは残量%をもう一度記録する

いつも出発前に冷やしているなら、自宅のコンセントへつないで予冷を済ませ、その状態から測ります。旅先で常温の飲み物を追加することが多いなら、その場面も一度試しておくと実際の旅に近づきます。

実際に使うポータブル電源へつないで測れば、変換時に失われた電気も残量の減りに含まれます。コンセントに挟む電力計で冷蔵庫だけを測った場合は、ポータブル電源側でも少し電気を使うことを見込んでおきます。

一泊は使った量、連泊は翌日に戻せた量まで

出発前に冷蔵庫を予冷し、走行中は車のシガーソケット、停車後はポータブル電源へ切り替える。一般車なら、この使い方も選べます。

走行中に冷蔵庫をシガーソケットへつなぐと、その間は車側の電気で動きます。停車後に使うポータブル電源を温存できます。

この使い方で残せるのは、冷蔵庫が走行中に使うはずだった分です。ポータブル電源の残量を増やすなら、シガーソケット充電に対応した機種を車へつなぎます。戻せる量は、充電時の入力W数と走行時間で変わります。

夜から翌朝までに200Wh減り、翌日の移動中にポータブル電源へ150Wh充電できた場合、前日より減るのは50Whです。

夜に使った200Wh−翌日の移動中に充電した150Wh=50Wh減少

走る時間が短い日は、戻せる量も少なくなります。連泊では、夜に使ったWhと、翌日の移動中にポータブル電源へ戻せたWhを一緒に記録します。

ポータブル電源の容量へ直す

コンセントに挟む電力計で測った24時間分が250Whだったとします。ポータブル電源の表示容量の80%を使えると仮定すると、必要な表示容量は約313Whです。

250Wh÷0.8=312.5Wh

冷蔵庫だけなら、500Whクラスにも収まる計算です。80%は、ここで容量を比べるための仮定。夏の増加分、照明、スマホ、翌朝に残したい電気を加えると、必要容量は変わります。

ポータブル電源へ直接つないで残量の減りを測った場合は、変換時の損失もその数字に含まれています。この場合は、測った減少量をそのまま一晩分として使います。

一晩に使う家電をまとめて計算する方法は、車中泊で一晩に何Wh使う?で整理しています。1000Whで何泊できるかは、車中泊で1000Whは何日もつ?で機器別に計算しています。

冷蔵庫そのものを選ぶ段階では、車中泊用ポータブル冷蔵庫の選び方と比較で容量、寸法、ふた、放熱、固定方法を確認できます。

まとめ

出発前に冷蔵庫を冷やす。走行中はシガーソケットから動かす。車中泊場所へ着いたら、ポータブル電源へ切り替える。

その状態で翌朝までに減ったWhが、その車中泊の一晩分です。

連泊するなら、翌日の移動中にポータブル電源へ何Wh戻せたかも記録しておく。使った量と戻せた量が分かれば、自分の旅に500Whで足りるのか、1000Whが必要なのかも見えてきます。


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